【再確認】職場の新型コロナウイルス対策

2021年3月3日

 特定社会保険労務士の熊井弘子です。企業での人事経験の後、社労士として独立開業、ハラスメント防止・事後措置の実務、担当者への助言とともに、産業保健・メンタルヘルスが専門領域です。

 こちらの媒体では、メンタルヘルスケアから広がる様々なテーマのお役立ち情報やコラムを提供したいと思っておりますが、今回は「再確認」として、職場の新型コロナウイルス対策を取り上げます。

職場の新型コロナウイルス対策について

感染防止とヘルスケア対策

 1年以上続いている新型コロナウイルスの流行に対し、企業によって、対策の状況は様々だと思います。感染の広がりを防止することを基本として、コロナ禍環境がもたらすストレスやハラスメント等をできる限り防ぐという視点を持つことも重要です。今回は「再確認」として、新型コロナウイルスに関連する情報を整理してご紹介したいと思います。

 尚、記載された情報については、掲載時の最新版をご紹介していますが、今後も随時更新されると思います。常に最新の情報を確認し、ご活用ください。

新型コロナウイルス感染症の“いま”についての10の知識(厚生労働省 2021.1.29掲載)

 患者数・病原性・感染性・検査・治療という項目で、厚生労働省が提供してる最新情報(2021年1月時点)です。自分が得た情報だけは偏ってしまうこともあり、新型コロナウイルスの基本事項について迷った時、最新情報を得たい時はこちらで再確認をしてみることをお勧めいたします。

(内容抜粋)

1.日本では、どれくらいの人が新型コロナウイルス感染症と診断されていますか。

2.新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人や死亡する人はどれくらいですか。 

3.新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化しやすいのはどんな人ですか。 

4.海外と比べて、日本で新型コロナウイルス感染症と診断された人の数は多いのですか。

5.新型コロナウイルスに感染した人が、他の人に感染させる可能性がある期間はいつまでですか。 

6.新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、どれくらいの人が他の人に感染させていますか。 

7.新型コロナウイルス感染症を拡げないためには、どのような場面に注意する必要がありますか。

8.新型コロナウイルス感染症を診断するための検査にはどのようなものがありますか。 

9.新型コロナウイルス感染症はどのようにして治療するのですか。 

10. 新型コロナウイルスのワクチンはありますか。いつから打てるようになりますか。

詳細は(こちら)からご確認いただけます

職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト(厚生労働省 2021.2.12版)

 基本的な対策の実施状況について確認する目的で、厚生労働省が、企業内の安全衛生委員会/衛生委員会等で使用する資料として提供しています。

 顧客との接触頻度、在宅勤務の実施割合等は、企業によって異なると思いますが、該当する部分について、毎月確認作業をすると良いと思います。

(内容抜粋)

・事業場のトップが新型コロナウイルス感染症の拡大防止に積極的に取り組むことを表明し、労働者 に対して感染予防を推進することの重要性を伝えている。 

・事業場の感染症予防の責任者及び担当者を任命している。(衛生管理者、衛生推進者など)

・三つの密(密集、密接、密閉)を回避する行動について全員に周知し、職場以外も含めて回避の徹底 を求めている。 

・「時差通勤でゆったりと」を取り入れている。 

・業態に応じて可能な範囲で出勤を抑制するように努めている。 

・トイレの床や壁は次亜塩素酸ナトリウム0.1%水溶液で手袋を用いて清拭消毒する。 

・新型コロナウイルスに陽性であると判明した場合は、速やかに事業場に電話、メール等により連絡す ることを全員に周知し、徹底を求めている。  

・新型コロナウイルスに陽性である者と濃厚接触した者が職場内にいた場合にどのような対応をするか ルール化し、全員に周知している。

詳細は(こちら)以下のURLからご確認いただけます

新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)令和3年2月22日時点版(厚生労働省)

 厚生労働省が提供している、企業向けで実用性のあるQ&Aです。対応に困るようなケースを取り上げて、実用的な説明がなされていますので、ぜひご活用ください。

(内容抜粋)

・風邪の症状がある方、感染が疑われる方への対応

・感染防止に向けた柔軟な働き方(テレワーク、時差通勤)

・雇用助成金の特例措置

・労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)

・労働時間(変形労働時間制、36協定の特別条項など)

・安全衛生

・災害補填

・軽症者等の宿泊療養を実施する宿泊施設等の運営者の方向け

・労働者派遣

・その他(職場での嫌がらせ、採用内定取消し、解雇・雇止めなど)

詳細は(こちら)以下のURLからご確認いただけます

在宅勤務者のメンタルヘルス対策(不調のセルフチェック)<動画>

 産業医の今井鉄平先生が代表をされているOHサポート株式会社は、著作権フリーの情報を提供しています。

 リンクは産業医五十嵐侑先生による在宅勤務者向けの不調セルフチェックに関する動画ですが、

 他にも参考になる情報がテキスト・動画ともに多数掲載されていますので、社内で視聴する等、ぜひご活用ください。

(内容抜粋)

・従業員にセルフチェックを勧め、自身の心の状態の気づきを促す

・メンタルヘルス相談窓口や専門家につなぐ

・5分でできる職場のストレスセルフチェック

動画は(こちら)からご覧いただけます。

また、コロナ対策トップページは(こちら)からご覧ください。

最後に

 コロナ禍が過ぎ去ることが一番の願いですが、それまでは職場でできる対策をとりながら、安全に勤務できるよう協力しあいたいものです。不慣れなことが続きますが、「予防が大切」という職場の安全・健康対策の基本には変わりありません。

 担当者の皆さんの過度な負担を避けるためにも、最新の情報が提供される有効な外部ツールを活用いただければと思い、紹介させていただきました。

筆者紹介

熊井HRサポート社会保険労務士事務所 代表

特定社会保険労務士・日本産業保健法学会会員

公益財団法人 21世紀職業財団ハラスメント防止コンサルタント

熊井 弘子 Hiroko Kumai

略歴:

主に企業の依頼に応じて、第三者機関調査として、各地でハラスメント等の事実確認を実施。防止/相談対応/事後措置、派生するメンタルヘルスの問題への対処、中立的な第三者機関の紛争解決案の提供を主業務としている特定社会保険労務士。開業前は、複数企業(日系・外資系)の人事部におり、採用、給与、システム、評価、制度等に加え、ハラスメント関連と衛生管理者としての事業内産業保健スタッフ等業務(衛生委員会、休職復職フォロー、メンタルヘルス等)の業務も長く担当。実務経験をベースに、最新の情報を更新しながら、働く人、それを支える人事部門のスタッフを含むすべての方の就業環境を充実させるサポート機関を目指しています。